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※あらすじ 世界の全てを見ることができる存在――ラーミア。 その正体は伝説の不死鳥であった。 六つのオーブを揃え、ランシール南西にある永久凍土の島"レイアムランド"を訪れたリノたちは、そこの祭壇にオーブを捧げ、ラーミアを蘇らせた。 それから四人は、激流が逆巻く河川と高々い山脈に囲まれたバラモス城を目指そうとした――のだが。 ラーミアは、先に向かう場所がある、と告げ、別の方角へと飛び始めた。 辿り着いたのは、竜の女王が住むという城。 そう、かつてスーの村で出会った"しゃべる馬"エドの主が住まう城だった。 そこでリノは、いずれ必要になる、と光の玉を授かった――竜の女王の命と引換に。 そして、今度こそバラモス城へと向かうのだが――その途上。 リノはラーミアと声を発さずに言葉を交わした。 『貴女はまだ本当の勇気を知らない』 「本当の……勇気?」 『貴女は今、バラモスに立ち向かおうとしている。それも確かに勇気のある行動と言えるでしょう。ですが、それだけでは足りません』 「…………」 『時には事実を――ありのままを受け入れること。それもまた、勇気』 「受け入れる……」 『今はまだ知らなくてもいいでしょう。ですが、いずれ知らなければならない――そのことだけは覚えておいて下さい』 「……はい」 それは過去、ランシールの神官と話していた時の事を思い出させる内容だった。 立ち向かうだけが勇気ではない。受け入れることも、勇気。 どういう意味なのかは、分からない。 それでも心に深く刻み込んだリノは決意を新たにし、仲間と共にバラモス城へと降り立った。 其処は迷宮である事だけが取り柄のような、がらん、としたところだった。 予想されていた魔物の襲撃はない。決して油断はしなかったが、最奥に到達するまで魔物の襲撃はなかった。 そして、バラモスとの戦いが始まる。 戦いは熾烈を極めた。 巨体に相応しい強烈な一撃。巨体に不釣り合いな俊敏な動作。強力無比な呪文。 凶暴に過ぎた数々の攻撃により、リノたちは段々と追い詰められていく。 だが、イオナズンの粉塵が互いの視界をゼロにした時――ナギサは策を思いつく。 持ち前の直感で、仲間たちの位置を瞬時に察した彼女は、 「何があっても取り乱さないで」 とリノとトラッドに伝え、 「私のこと……ちゃんと受け止めてよね」 とラザに伝え、行動を開始した。 ナギサの手にあったのは、不思議な木の実。ダーマを発つ時、アーニーから手渡されたものだった。 彼女の体内を循環する魔力の澱みは、確かにまだ残っていた。だが、この木の実を飲み込む事で、呪文が思いついた時のみという前提条件はあるものの、一時的に呪文が使えるようになるのだと言う。 不思議な木の実を飲み込んだナギサは、決戦前に思い出していた呪文の構成を練り、唱えた。 一方、その頃。 粉塵の中からリノの姿を見つけ出したバラモスは、彼女が気づくよりも先に右腕を振るった。 痛恨の一撃。 リノの身体は壁が陥没するほどの勢いで叩きつけられる。 そして、トドメを刺すべくメラゾーマを放ったのだが――刹那。 青白い光が、弾けた。それはキメラの翼が放つ光だった。 だが、逃げ場はない。次こそトドメを、とバラモスが天井を仰ぎ見た直後。 リノの剣は、バラモスの身体を――"背中"から斬り裂いていた。 そう。 壁に叩きつけられ、天井に飛んだ"リノ"は、モシャスで変化したナギサだったのだ。 バラモスがその事に気づいたのは、自身が絶命する寸前のこと。 もしくはリノが剣を納め、トラッドが彼女に駆け寄り、ラザが天井から落下するナギサを受け止めた時でもあった。 こうして、世界に平和が訪れた。 次の話
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